割円八線対数表を再現する


冲方丁殿:1661年の日本に対数表があったという根拠を示していただきたい。

規則 11: 相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。

というわけで、「伊能忠敬の地図を読む」改訂増補版初版2010/12/30 P28 の写真だけを頼りに、伊能忠敬の「割円八線対数表」を再現してみた。
sheet2


sheet2_v2



伊能忠敬の周天360分割、1度60分割、1分60分割で。
左側は90度から45度まで1分刻みで、右側は0度から45度まで1分刻みで。
各行の処理:
  何度何分を、度の小数表現に変換。
  excelだから、ラジアンに変換。
  江戸時代は直径がベースだったので2倍。
  excel関数でsin,cos,tanを求める。正弦、余弦、正切。まずは三線。
  それぞれの逆数で余割、正割、余切。ここまでで六線。
  1-cos、1-sinも求めておく。正矢、余矢。これで八線。(今回は使っていない)
  余割、正割、余切それぞれ常用対数を求め、10を加え、一千万倍し、小数点以下四捨五入。
  違うシートから呼び出し、NUMBERSTRING関数(モード3)で漢数字に変換。
  必要な部分以外は非表示。

80度00分から79度30分までの余割対数、正割対数、余切対数および
10度00分から10度30分までの正割対数、余割対数、正切対数の頁である。
このページだけでは「割円六線対数表」だ。

3行位比較してみたが、合っているようだ。31行全て合っているかどうかは、定かではない。2701行全部合っているかどうかは、照合するてだてがないのでグリコ。

オリジナルは、概ね右から左に向かって読むのだが、対数の数値だけは、左から右に読む。はまった。このシートは全て左から右に読む江戸時代だから「直径」をベースに考えるのと、常用対数に10を足すのがみそ。負数を嫌ったらしい。その他はexcelの常識的な技だよね。

2時間程度のやっつけ仕事なので、まだまだ改良の余地はある。下のexcelデータはさしあげますので、各自好きにして頂戴。乞誤謬指摘だが、著作権は放棄していないので、再配布する場合は「digital西行庵・新渡戸広明・作成」を明記のこと。でかいぞー、おもいぞー

6/30追記:
79度30分の余割対数(10度30分の正割対数)。オリジナル一〇七三九三六〇、再現表一〇七三九三六〇。オリジナルにも結構誤謬があるようだ。ちなみに私が、姚秦三蔵法師鳩摩羅什奉詔訳「妙法蓮華経」全八巻を入力したときの誤謬率は661文字/73905文字、0.89%程度だった。

6/28追記:
規則 15: わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
申し訳ありません。ラジアン変換を間違えていました。直径ベース補正をする必要はありません。sheet2(漢数字の表)に影響はありません。お恥ずかしい。
inou_8sen.xlsx は、誤謬です。
inou_8sen_v2.xlsx をお使いください。
97-2003ユーザのあなたに、xlsを用意しました。



添付ファイル: inou_8sen_v2.xlsx  inou_8sen_v2.xls 

 

— posted by nitobe at 11:50 pm   commentComment [0] 

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