【東京新聞・社説】美味しんぼ批判 行き過ぎはどちらだ

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hanadi

人気漫画ではあるが、以前から科学的な信憑性に疑問の声が多い作品。昔は読んでたけど今は全く見てないなぁ。最近「鼻血」云々で騒がしい。たかがマンガで大臣の御歴々がコメントするなんて、なんか妙だ。批判的なコメントの主の面子を覚えておこう。所詮マンガの「美味しんぼ」を、擁護も、批判もする気はさらさらない。こんなもんにヒステリックにコメントする間抜けの雁首を晒そうという趣向だ。
2014氏名/組織肩書論旨新渡戸コメント
04/29奈良林直北海道大学教授(原子炉工学)「放射線の影響で鼻血が出たとなると、少なくとも1000ミリシーベルト以上を浴びた可能性がある。炉心に立ち入ったのではなく、福島第1原発を取材しただけで、これほどの放射線を浴びることは考えにくい。作中で『関連づける知見はない』との説明も同時にしているようだが、読み手に微量の放射線の影響ですぐさま体調が悪化するとの誤解を与えかねない表現といえるだろう」
05/07福島県双葉町現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません。」「双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応について、町として厳重に抗議します」 現在「町」の実体がないのでは?避難先で鼻血出るわけないだろう。
05/09石原伸晃環境相「描写が何を意図し、何を訴えようとしているのか、私には全く理解できない」 あなたの発言が何を意図し、何を訴えようとしているのか、私には全く理解できない
05/09浮島智子環境省政務官「言論の自由はあると思うが、福島の人たちが復興を頑張っている中、風評被害の影響を考えてもらいたい」
05/12佐藤雄平福島県知事「全国の皆さんが復興を支援してくださって、福島県民も一丸となって復興を目指しているときに、全体の印象として風評を助長するような内容で極めて残念だ」
05/12橋下徹大阪市長「漫画なので基本的には自由だが、根拠のない話だと表現の自由の範疇(はんちゅう)外。取材が甘すぎるのではないか」
05/12 菅義偉官房長官 住民の被曝と鼻血に因果関係があることは考えられない。科学的見地に基づいて正確な知識をしっかりと伝えていくことが大事だ
05/12下村博文文部科学相科学的、医学的な根拠はない。福島県民にとってひどい迷惑だ」
05/12石破茂自民党幹事長 「風評被害を払しょくしようとする中で、それに逆行することは自制すべきだ」
05/12遠藤啓吾京都医療科学大(京都府南丹市)学長 低線量被曝が原因で鼻血が出ることは、科学的にはありえない。大量被曝した場合は血小板が減少するため、血が止まりにくく、鼻血が出やすくなるが、血小板が減るのは(がんの死亡リスク上昇が確認されている100ミリシーベルトの10倍にあたる)1千ミリシーベルト以上の被曝をした場合であり、それ以下の被曝では影響がない。住民も福島第1原発で働く作業員も、事故で1千ミリシーベルトを超える被曝をした人はいない。住民の被曝線量は大半が10ミリシーベルト以下。原発作業員の中に、白血球や血小板の数値に異常がある人がいるとは聞いていない。もし低線量被曝の影響で鼻血が出るのだとしたら、一般の人々より被曝線量の高い放射線技師や宇宙飛行士は鼻血が止まらないことになる。福島の人たちは過剰な不安を抱くことなく、安心して生活してほしい」
05/12明石真言放射線医学総合研究所(千葉市)理事 「一番被ばくしている原発作業員でも700ミリシーベルト程度。その人たちでも血小板は減っていない」
05/12上念司経済評論家、著述家 美味しんぼの鼻血描写を痛烈批判!根拠のない炎上商法は福島への差別!上念司が取材した福島の真実Link
05/12福島県「福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります」
05/13小泉進次郎復興大臣政務官「鼻血を流したこともない。行くたびに元気になって帰ってくる」 はいはい、あなたは若くて健康ですからね。
05/13森雅子消費者担当相放射能と鼻血との因果関係は科学的に証明されていない。影響力の大きさを考えると大変残念だ」「政府としては正確な情報を発信していきたい。福島県民に対して根拠のない差別や偏見を助長するようなことは遺憾だ」2年前のあなたにそのままお返しします。
05/13根本匠復興相「漫画とはいえ、地元の不安や風評被害を招きかねない内容で、誠に遺憾だ」
05/13太田昭宏国土交通相「言論の自由は大事だが、福島に住んでいる人の心情を理解する必要がある」
05/13環境省放射性物質対策に関する不安の声について Link 「東京電力福島第一原子力発電所の事故の放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません」
05/14野口邦和日本大学歯学部准教授(放射線防護学)「鼻血が出たのは本当なのでしょうけど、被ばくと関連づけるのであれば間違いです。もし被ばくなら数百ミリ、数千ミリシーベルトの放射線を浴びて急性障害を起こした時です。その場合、全身の至るところから出血し、鼻血も続きます」
05/17伊沢史朗双葉町町長 私の知る限りでは、職員からそのような(被ばくによる鼻血の)報告は受けていないし、周りにもそんな人はいない」「福島は一歩一歩復興を進めていると理解してほしいし、誤解がないようにしてほしい」
05/17安倍 晋三内閣総理大臣放射性物質に起因する直接的な健康被害の例は確認されていないということだ」「根拠のない風評に対し、国として全力を挙げて対応する」
05/18(テリー)伊藤輝夫テレビプロデューサー「作家の方が2年間取材したと言ってるんですけど、(作中で)実際に鼻血が出るのは、主人公の山岡とそのお父さん。ドキュメンタリーでありながら、もう一方では漫画のキャラクターが鼻血を出すっていうね。リアルなことをやってるのに、架空の漫画の主人公を利用するなよと。禁じ手を使ったなという感じがするんで、そこは納得がいかない」誰が禁じた?
05/19 橋下徹大阪市長【取り下げ】「こちらは事実として違うと抗議し、フェアな掲載をしてもらった。もう十分。あとは読者に判断してもらえばいい」
05/19坪倉正治東京大学医科学研究所医師「現在のさまざまな放射線量の測定では、被ばくが鼻血を引き起こすような高いレベルではない。被ばくによる鼻血は血小板の減少で出血するので、鼻血が少し出るという程度ではすまない」「汚染が起きたことは確かだが、3年以上計測してきた住民の被ばく線量では、現在、人が住んでいる地域は安全性が担保される被ばく量に収まることが分かっている」「今回の件で福島の子どもたちが将来、差別を受けるきっかけを作ってしまったことは残念だ。差別や臆測に対して行われている放射線の検査や被ばく線量などを、福島の住民1人1人が自分のことばで説明できるようになってほしい。福島県外の人たちも福島の現状を正しく理解し、放射線を安全か危険かという二元論ではなく、どういうものかを小中学校できちんと議論して理解する機会を増やすべきだ」
05/20 平沢裕子産経新聞「美味しんぼ」“鼻血は被曝”を検証 漫画のような事実はあるのかLink  産経新聞 5月20日御用記者
05/20 西沢真理子リテラジャパン代表「事故後、リスクを正確に伝えるリスコミが適切になされなかったことで、放射線のリスクを正しく認識できない人が今も多いのは残念」「放射線に発がん性があるのは確かだが、健康への影響は量で考える必要がある。低線量被曝の場合、喫煙や野菜不足よりもがんになるリスクが低く、現在の福島が心配されるような状況ではないことを理解してほしい」御用記者のお友達。放射線のリスクを正しく認識できない人。
【以上、批判の詳細は自分で調べてね。】

概ね「低レベル被曝」で症状が出てもらっては困る面々ではある。証拠隠滅に躍起という感じ。
「鼻血」云々は野党時代の自民党議員、熊谷大・山谷えり子・森まさこが国会で追及してたじゃないか。
国会での「鼻血」に関する質疑Link (放射能メモ 放射能に関する覚書とツイッターのまとめ 金吾氏)

広島、長崎の「低レベル被曝」の疫学調査はアメリカ軍による隠蔽工作により、行われていない。 肥田舜太郎先生の 「被爆と被曝Link 」を読みたまえ。「科学的知見」などそもそも存在しない。福島第一原発事故の「低レベル被曝」の疫学調査も福島県、政府の隠蔽工作によりうやむやにされる公算が大。「福島原発事故 県民健康管理調査の闇Link 」を読みたまえ。

専門家と称する人たちの見解は、「高レベル被曝」の症例であり、現代の放射線医学が「低レベル被曝」の知見を全く欠いているという自覚がないし、それを研究する意思もないようだ。血小板の減少云々と馬鹿の一つ覚えの如く教科書の受け売りをしているだけ。御用臨床医なんて所詮その程度のモンだし、ましてや門外漢の御用核工学屋さんが人体の話なんか偉そうにするもんじゃない。あ、尊敬できる臨床医や核工学屋さんもいるからね。そこんとこ誤解しないように。

出る人もいる。出ない人もいる。身の回りに居ないからといってりきんで発言するもんではない。ましてや立場上隠蔽しようだなんて言語道断。尻馬に乗っかって発言する阿呆は論外。

森まさこ(自民党)の挙動が解せない。

以下、忘備録

ショート論評 「鼻血」問題に見る日本人の魂の喪失Link (武田邦彦(中部大学Link ))
以下全文引用(保全)

 あるマンガに福島の被曝地帯で鼻血が多かったという内容があり、これに対して、こともあろうに大臣が「不快だ」と言い、地元が「差別」と言って、漫画の作者を非難した。まさに現代の社会「悪者が良い人をバッシングする」という典型例である
 まず第一に、軽度の被曝によって鼻血がでたのは事実であり、小学校でも記録されている。原発事故直後、子供も大人も鼻血で悩まされた。50歳の男性が今まで人生で一度も鼻血を出さなかったのが、大量の鼻血が突然出たのでびっくりした人など、枚挙にいとまがない。
 これは、重度の被曝で骨髄に損傷を受けて出血するのとは原因も現象も違う。それなのに、御用学者は事実を認めずに、インチキを言ってごまかそうとしている(専門家は軽度の被曝の鼻血と、重度の被曝の鼻血の差を知っているのに、知らないような説明をしている)。
 第二に、漫画に登場した「鼻血がでた」と言っている前町長は、「実際、鼻血が出る人の話を多く聞いている。私自身、毎日鼻血が出て、特に朝がひどい。発言の撤回はありえない」と言っている。またさらに石原伸晃環境相がマンガに不快感を示したことについて「なぜあの大臣が私の体についてうんぬんできるのか」と厳しい。
 それよりも何よりも、福島原発事故が起こり、汚染状態も時々刻々と変化しているはずだし、森林の状態がどうなっているかも気がかりだ。田畑の汚染、セシウムの沈下速度、ストロンチウムの存在、セシウムの再飛散など、私たちが子供や自分自身の健康を守るためにどうしても必要なデータである。
 さらに農作物、加工品、魚貝類、乳製品などの汚染や、海で潮干狩りをしたり、海水浴をしたりする危険性、はるか遠くの海やハワイなどをどのぐらい汚染したか、どれをとっても大切なことだ。
 私は事故直後から、起こってしまったことは仕方がないが、原子力関係者は深く反省して、国民が必要なデータを力を合わせて発表していきたいと呼びかけたが、むしろ今回の鼻血のように、「隠す方向」=「野蛮な社会」へと進んでいる。税金で研究している国立環境研究所などはいったい何をしているのか?
 もし、隠さなければならないほど原発や被曝が怖いなら、原発の再開などありうるはずもない。「風評」の専門家は「風評が起きるのはデータ不足から」と言っているが、風評を作り出しているのは、政府、環境省、自治体、そしてマスコミであり、国民は情報が提供されれば正しく冷静に判断するだろう。
 今回の鼻血の件も「悪人が善人をバッシングする」と言う現代日本の悪弊が表面化した一つの例になった。今、甲状腺がんは100倍とされ、思春期の子供の急性白血病が増加していること、二本松市の死亡者数が20%以上も増大していることなど、日本人として関心を持たざるを得ないことが起こっている。
 私たちは何のために政府を雇い、国立研究機関にお金を出しているのか。データを出す必要がないというなら、なぜないのかについて誠意をもって説明してもらいたい。
(平成26年5月10日)          武田邦彦 
注:強調:新渡戸

松本人志「美味しんぼ」問題に怒る~2年前、「鼻血」で一番騒いでいたのは自民党!Linkwantonのブログ 『光軍の戦士たち』Link

いわゆる「美味しんぼ問題」の基礎資料となるべき疫学調査の存在についてLink  河﨑 健一郎 | 弁護士 2014年5月20日
以下全文引用(保全)
 人気マンガ「美味しんぼ」における福島原発事故の描写が物議をかもしている。
 本稿ではそれらの議論の詳細には立ち入らないが、そうした議論をする際に前提として踏まえるべき基礎資料の存在が見過ごされているように思われるため、その点について注意喚起する趣旨で筆をとった。
 「美味しんぼ」において「福島の真実」として描写された内容の幾つかの点が今回批判にさらされているようだが、その中でも最も強く批判されているのが鼻血の描写であるようだ。
 作中、主人公である山岡が鼻血を出すシーンが描かれ、その父である海原雄山が「私も鼻血が出た」と語り、また、実在の人物であるところの井戸川克隆前双葉町長が登場し、「私も鼻血が出ます。」「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」と語るのが問題の描写である。
 これらの描写が、「風評被害をあおる」ものとして指弾されているのだ。
 福島県知事、石原環境大臣に続き、安倍首相までがこの点に言及して「根拠ない風評に国として全力で対応」と述べたとのことである。
 そこで、「原発事故の被害者を母集団として、鼻血が出るという症状を描くことに根拠があるか」という点に絞って、コメントしたい。
 結論から述べると、「(原発事故の被害を受けた)双葉町民を母集団として、鼻血が出るという症状を訴えた人は有意に多く、そうした症状を描くことに根拠はある」と思われる。
 以下、その根拠を述べる。
 私が共同代表を務めるSAFLANLink (福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク)では、2011年の発足直後から、将来的に、放射線被曝の健康影響を巡って深刻な立場の対立が起こり、議論が行われるであろうということが予想され、また、福島県によって予定されていた健康調査が、不十分な調査項目、対照地域の不備など、疫学調査として不十分なものに留まる見込みであることが判明したことから、政府などの実質的な利害関係人を排した独立の疫学調査の実施が必要である考え、疫学の専門家である岡山大学の津田敏秀教授らのグループに委嘱して、福島県双葉町、宮城県丸森町、そして対照地域としての滋賀県木之本町を対照に、大規模な疫学調査を実施してきた(以下、「本調査」という)。
 その結果は既に双葉町民等に対して説明され、また、公表もされてきたものであるが、今回の議論において見過ごされているように思われるため、改めてSAFLANのウェブサイトにおいてダウンロード可能な状態としたので、一次資料をご自身で検討した上で議論いただけるだけの冷静さをお持ちの方には、ぜひご参照いただきたい。

双葉町等での疫学調査の「報告書」について
 これは、一部のメディアで報道されている、中地重晴氏の論文で扱われている調査と同一の調査の報告書の本体である。
 今回の美味しんぼ騒動の中で、渦中の人となった井戸川町長が(自身の主張にとって積極方向に働くはずの)この調査に言及されない理由は不明であるが、おそらく単純に失念されているのではないかと思われる。
 また、本調査の存在について、双葉町が故意に隠蔽しているのではないかとの一部報道もあるようであるが、双葉町が小学館に対して送った抗議文の文面は「現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません。」というものであり、本調査が平成24年11月の時点で行われたものであることなどを考え合わせると、その抗議文の表現は本調査の存在と矛盾するものではないことは指摘しておきたい。
本調査の報告書をご覧いただければ分かる通り、
 ・ 双葉町で鼻血は有意に増えている
 ・ もっとも、その有症割合は1.1に留まる
 ・ 鼻血を特別視すべきではなく、その他にも様々な主観的・客観的症状が訴えられている
 ・ 原因については一度の調査では特定できず、放射線被曝によるものか、その他の例えば避難ストレスによるものかを特定するためには、継続的な調査が必要となる。
と言った点に留意されるべきである。
 私たちが懸念しているのは、長期・継続した調査によって蓄積されるべき科学的知見が、今回の騒動のような、きわめて短期的に消費されてしまう社会的な文脈の中に巻き込まれ、冷静な議論の前提となるべきファクトが散逸してしまうことである。
 本来であれば、こうした大規模な疫学調査は、国などの公的存在が責任を持って行うべきものであるものの、予断に満ちた秘密会での事前シナリオが暴露されるなど、福島県の実施する県民健康管理調査への市民の信頼が著しく低下していることが、本質的な問題であることは否めない。
 かつての野党時代の公明党(ほか自民党を含む当時の野党各会派)が提案していたように、国の責任に基づき、より幅広な疾病の可能性を踏まえた健康管理調査の実施が急務であることを指摘して、本稿を終えたい。
注:強調:新渡戸

低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査 −調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較−(pdf)Link

— posted by nitobe at 09:23 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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